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華道:池坊(武峯)
生け花パラダイム論
生け花は500余年の歴史を持つ。これを様式美の追求の歴史とみれば、
「様式=パラダイム」の観点で興味深い。ここでは、生け花における
いくつかの様式とプログラミングパラダイムのアナロジーについてのみ
触れておく。
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「立華」:
7本ないし9本の主枝を協調させて、雄大な風格美を表現する。
(マルチパラダイムに対応)
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「生花」:
真、副、体または天、地、人の役枝を用いて、型にはまった格調美を表現する。
(構造化または宣言的パラダイムに対応)
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「投入」:
草木の部分的な美しさに着目し、型にとらわれず、写実的、主観的な美を表現する。
(ルール指向パラダイムに対応)
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「自由花」:
花の形や形式に定められた約束事はなく、創作美、個性美を表現する。
(手続き型パラダイムに対応)
生け花における自然美の追求とその表現の様式化は、ソフトウェアにおける
わかりやすさの追求とその表現のパラダイム化に通じるところがある。
■著書
「ソフトウエア危機とプログラミングパラダイム」(1992)の”あとがき”から引用
(参照<p.236-237> )