ソフトウェア工学におけるパラダイムシフト
理工学研究科 中所 武司
今,新しい時代にふさわしい新しいソフトウェアの作り方が求められています.
これまでコンピュータシステムは,ハードウェアに合わせてソフトウェアが開発され,そのソフトウェアに合わせてエンドユーザが利用するという図式でした.この「初めにハードウェア(機械)ありき」という発想は,ハードウェアが高価だった時代にそれを最大限に活用するために当然のことでした.
しかし,年間六百万台近くのパソコンが国内で売れているというインターネットの時代には「初めにエンドユーザ(人間)ありき」という発想へのパラダイムシフトが必要になります.私はこれを「コンピュータによる豊かな生活の実現」(CS-life : Computer- Supported Life)と呼んでいます.
現在遂行中の2つのプロジェクトは,いずれもオブジェクト指向技術を基本に業務の専門家自身が自分の業務を自動化できるようなソフトウェア開発技法を研究しています.一つは,アプリケーション・フレームワークを提供し,業務の知識をソフトウェア・エージェントに教える方法です.もう一つは,複数の人達による協調作業をメッセージフローモデルとみなし,メッセージ変換列の定義からその作業を肩代りするプログラムを自動生成する方法です.
私の研究室は,大学院生8名,学部4年生11人が,オブジェクト指向,ネットワーク,ユーザインタフェース等の技術をベースに
”ソフトウェア・イノベータ”をめざしています.インターネットご利用の折には是非お気軽に研究室のホームページ
http://www.se.cs.meiji.ac.jp:8080/
までお立ち寄りください.
(理工学部教授・ソフトウェア工学)
バックホーム