第190回ソフトウェア工学研究発表会(12/15(火)〜16(水),2015)
(10)要求工学ワーキンググループ活動報告
中谷多哉子、中所武司、滝沢陽三、白銀純子、紫合治、佐伯元司、
海谷治彦、大西淳:
■■<以下,中所担当分の抜粋>■■
<前略>
3. エンドユーザ主導型開発と要求工学(明治大学:中所武司)
変化の激しい時代には,業務の知識を有するエンドユーザ主導のアプリケーション開発とその保守が重要になると考え,その技法を研究してきた.主要な技術課題は,業務の専門家による要求仕様の定義方式とその仕様からのアプリケーションプログラムの自動生成方式である.研究対象は3層アーキテクチャのWebアプリケーションとする[4].
その関連で,要求仕様は,ユーザインタフェース(UI)とビジネスロジック処理(BL)とデータベース処理(DB)の定義とする.そこで,業務の専門家に最も親近感のあるユーザインタフェースを起点として,業務処理を{UI→ BL → DB → BL → UI}という一連のワークフローの中に位置づけて定義するABC開発モデル(Application =Business logic + CRUD)を考案した[2].
第2の課題である実装方式については,ドメイン特化型のアプリケーションフレームワークを開発して,ドメインに共通の処理をあらかじめ用意し,アプリケーション固有の処理に対応するプログラムのみ自動生成するようにした.研究試作のためのドメインとしては,急速に普及しつつある多種多様なマッチングサイトを選択した[1].
現在,マッチング処理を定式化するために,利用者の信用性と成果物(物,サービス)の品質を基準とするユーザビューの分析と,ビジネスロジックのアルゴリズム的な処理の難易度とビジネスロジックの数の多さを基準とするシステムビューの分析を実施し,この分野を例題としたケーススタディを実施している[3].
<中略>
参考文献
[1] 中所武司:マッチングシステムを例題としたエンドユーザ主導開発方式に関する考察,電子情報通信学会技術研究報告, 知能ソフトウェア工学研究会KBSE2014-28,Vol. 114, No. 292, pp. 1-6 (2014).
[2] Chusho, T.: The Classification of Matching Applications for
End-User-Initiative Development, The 2015 IAENG International Conference on
Software Engineering, pp.476-481 (2015).
[3] Chusho, T. and Li, J.: Conceptual modeling for Web applications and definitions
of business logic for end-user-initiative development, The IADIS International Conference
on Information Systems 2014, pp. 184-192(2014).
[4] Chusho, T. and Xu, J.: Description and Implementation of Business
Logic for End-User-Initiative Development, SOMET'15 (2015).
<以下,略>