「アクティブ・ラーニングは「議論自由」のこと?」
(2016.9のブログの詳細 2016.9.13 中所)
数年前から「アクティブ・ラーニング」の話題をよく目にするが,
最近では学習指導要領改訂との関連でもいろいろ検討されている.
文部科学省の用語集によると,
http://www.mext.go.jp/component/b_menu/shingi/toushin/__icsFiles/afieldfile/2012/10/04/1325048_3.pdf
【アクティブ・ラーニングとは】
教員による一方向的な講義形式の教育とは異なり、
学修者の能動的な学修への参加を取り入れた教授・学習法の総称。
学修者が能動的に学修することによって、認知的、倫理的、社会的能力、教養、知識、
経験を含めた汎用的能力の育成を図る。
発見学習、問題解決学習、体験学習、調査学習等が含まれるが、教室内での
グループ・ディスカッション、ディベート、グループ・ワーク等も有効な方法である。
【議論自由の授業内容】
私の授業では,以前から議論重視の方針を「議論自由」と名付けて
学生が自ら考え,発言するよう促してきた.
<参考サイト>
・議論自由:議論を楽しく
http://www.1968start.com/M/kinenkan/gironjiyu.htm
・議論自由とは
http://www.1968start.com/M/semi/openLAB/gironJi.htm
<1年:ゼミナール1>
・入学直後の春学期の15名前後の1年生の授業で,提示した課題について
自分の意見を記述させ,全員に配布後,説明して議論するようにしている.
充分な議論の時間はとれないが,自分の意見を述べる重要性は伝わっていると思う.
結果の一部を以下に掲載している:
http://www.1968start.com/M/lecture/debate.html
<3年:ソフトウェア工学・演習>
・3年の講義科目で,授業の最後に,提示した課題について,自分の意見を
ミニレポートとして提出させ,次回の授業の最初で私がコメントしている.
本来はその場で学生が挙手して議論するのがよいが,挙手する学生が少ないので,
このような代替方式をとっている.また,たまに電子討論を実施してきた.
結果の一部を以下に掲載している:
http://www.1968start.com/M/lecture/edebate.html
<3,4年,院生:ゼミの授業>
・3年秋学期からゼミ(研究室)に配属されてからの下記の授業では
学生が資料配布し,自分の意見を述べ,議論し,授業終了後に
議事録をメーリングリストで配布し,電子討論するようにしている.
*3年:ゼミナール2
*4年:卒業研究
*院生:研究指導
【過去の関連ブログ】
過去のブログで言及した「教える授業から学ぶ授業へ」「社会人基礎力」と関連がある.
2011.4 のブログ:「頭がいいのに「分かる」ことができない新卒たち」
http://www.1968start.com/M/blog/old.html#1104
(抜粋)私の研究室では,「議論に強くなろう」をモットーにしてきた
2009.8 のブログ:「大学教育の質の保証の3種類の視点」
http://www.1968start.com/M/blog/old.html#0908
(抜粋)企業の視点:プロダクト(個々の卒業生の社会人基礎力,学士力)の質の保証
2008.3 のブログ:「産学官連携による高度IT人材育成に死角あり」
http://www.1968start.com/M/blog/old.html#0803a
(抜粋)学生の動機づけ、すなわち「教えたい授業」から「学びたい授業」への移行が、
前提条件として必須である。
【感想】
小学校から大学まで受け身の勉強になれてきた学生にとって,
3年の研究室配属後に「能動的な学修」態度に変わることは容易ではない.
学生が自分で考えてやってきたことを発表して,それに対して,
教員が質問しながらアドバイスをする方法には,なかなかの根気が求められる.(^^;;
以上