http://www.1968start.com/M/blog/1508Vygotsky.htm

 

■人工知能学会誌の20157月号の特集「学習科学と学習工学のフロンティア」

の中の論文:「他者からの学びの支援」(pp.469-472)の中で,

50年近く前に読んだヴィゴツキーの「思考と言語」が引用されている.

 

(注)ヴィゴツキーの名前が目に留まると懐かしくて一言コメントしたくなる.

すでに,2014.72008.3にブログで取り上げている.

   私の修士論文との関連はこちらで言及済み(このページの最後尾):

 

(ヴィゴツキー関連部分の要約)

 

・ヴィゴツキーの学習モデル:

初心者は,熟練者に問題解決や対象理解を支援してもらうことにより,

最初は表象的であるが,徐々に,単なる知識の身でなく,理解の仕方,注意・焦点化,

内省,態度,動機,情熱などの対象に関する高次の心的スキルを獲得できる.

 

・学習者が一人で到達できない水準と熟練者が支援して到達できる水準との間の領域に

教育が働き掛けることにより,学習者の発達を効果的に促進できると主張.

 

・子供の遊びは,大人がいろいろ援助してくれて意識しなくても学習ができるように

工夫されないといけないが,発達に伴い,学びの目的が多様化し,

学習者自身が学ぶべき対象や他者を自動的に選択しなければならなくなる.

(注:本項は「ヴィゴツキーに話を戻すと」という書き出しなので,

ヴィゴツキーの引用か,著者の意見かは不明)

 

<私の修士論文の研究との関連性>

・ヴィゴツキーの思想に対する注目点は少し異なるかもしれないが,

 私の注目した点は思考言語としての「内言」と,

思考言語の発達段階を示す幼児の「自己中心的言語」である.

 →★私の修士論文に以下の記述がある.

   http://www.1968start.com/M/bio/olduniv/shuuron.htm#11v

↓(抜粋)

特に言語機能を外言(音声言語、コミュニケーション言語)と、内言(思考言語)の

二つに分離して議論したヴィゴツキーの理論は、かなり思考の本質にせまったものと

思われるので、以下、彼の理論に少し詳しく触れておく。

 

・なお,上記論文の引用部分「初心者は,熟練者に問題解決や対象理解を支援してもらう」

および「学習者自身が学ぶべき対象や他者を自動的に選択」に関していえば,

 私の修士論文の中での,思考の発達段階の(討論学習による)シミュレーションにおける

 ★「少年期II:放課後などに、興味あることを周囲の人たちに積極的に話しかけて学ぶ。

L2型で、[大人]との対話」

が相当するように思われる.

 (引用元)→ 電子通信学会 オ-トマトン研究会 資料(1970

   http://www.1968start.com/M/bio/olduniv/gakkai7012.html

 

(以下は過去のブログ)

 

http://www.1968start.com/M/blog/old.html#1407

2014.7「番外編:なつかしのヴィゴツキーが汎用人工知能AGIで注目されている」

 

http://www.1968start.com/M/blog/old.html#0803c

2008.3「40年近く前に読んだヴィゴツキ−の「思考と言語」が注目されているらしい」

 

以上